曲名「春の海」

◎ 奥秘十二段の話



目         次



下の番号ををクリックすればその項目です。
平成24年目次
 

1.  奥秘十二段の成立理由

2.  奥秘十二段と現状

3.  点前のルーツは奥秘十二段にあり

4.  真之真の話(1)

5.  帛 紗 の 話 2012/1/30

6.  真の茶事の流れは他の茶事とは異なっている 2012/2/5 

7.  A会員からの唐物、盆点についての質問2012/2/19 

8.  台子の種類と点前による台子の違い 2012/3/13」の開示

9.  真之行草の話と炉・風炉の荘り 2012/5/3」の開示

10.  真之草の話と炉・風炉の荘り 2012/5/23」の開示

11.  行之真の話と炉・風炉の荘り 2012/6/24」の開示

12.  台子の種類によって荘る道具が決ることを無視した現在のよくある荘り2012/8/25の開示

13. 奥秘台子12段、大円之真、大円之草と茶事のあり方 2012/10/5 開示

14. 真の点前で、釜に中水、後水を入れない理由 2012/12/14 開示



 1. 奥秘十二段の成立理由

 奥秘十二段の成立は、十二段全て習得して、南方録を何度も読み返し、日本史を背景に考察してみると、利休が奥秘十二段を成立させた真意が見えてくる。

日本の風土と島国という自然環境が日本人独特の心を育んでいった。そこで生まれた日本人独特の生活様式、精神構造、感性をつくりあげた。

 中でも外国製品にたいする崇拝、特に茶道の成立期において、古代からの日本と朝鮮、中国との歴史的変遷のなかで、先進国であった中国、朝鮮からの高度な文物の渡来した物に触れて、羨望のなかでその精神は生まれ、奈良時代、平安時代、鎌倉時代、室町時代を経て、貴族、武家、僧侶、豪商などの上流支配階級の世界で確立した唐物至上主義の世界に茶道が形成されてきた。そのような環境の中で唐物至上主義の精神構造形成されたのであります。

 自由都市堺に生まれ育った千利休は、封建的、画一的、封鎖的茶道に違う茶道があるのではないかと模索する中で、村田珠光、武野紹鴎を経て少しづつ変革して求めた侘、寂の茶道を、利休の感性で一層奥の深い草庵の茶を究極の茶道であると認識し、大成していったが、唐物台子飾りを大成した能阿弥に対して、唐物台子飾りに優越なる和物道具を組み合わせることによって、新しい茶道の原点となる台子十二段を大成したと言える。

 結論的に言えば、
茶道初期成立時代から絶頂期の室町時代の能阿弥の頃までの唐物至上主義の尾を引く利休以前の茶道界に対して、利休が茶道の究極とする草庵の茶を茶道の奥義に組み込むことによって唐物至上主義を打破し、和物道具にも茶道に優越した道具のあることを認識させる意味合いから、唐物、和物道具の混成による奥秘台子十二段を成立させたと見ることができる。
これが原点となって平点前の形成に大きく影響を与えていった姿を、奥秘台子十二段の中に垣間見ることができるのである。


 2. 奥秘十二段と現状

 台子の奥伝として、利休の大成した奥秘十二段の中で、「真之行」、「行之行」(表千家では俗に「乱れ」と呼ぶことが多い)の二つを、表千家、裏千家では、ある許状資格を受けた者に対して公開している。他流では、大日本茶道学会は裏千家円能斎の弟子であった田中仙樵が(裏千家から奥秘十二段を譲り受けたと言い伝えられているが、この点については機会があれば述べよう)明治31年に創設して、奥秘十二段を有資格者に伝授している。

  しかしながら、表千家の場合は、実際にその」点前をできる人は非常に少なく、相当な実力者と言われる人でも行ってはいないようである。
裏千家の場合は、奥伝と言えば、「真之行」、「行之行」、十二代円能斎の考案(この点についても機会があれば述べることにしよう)したと言われる「大円の真」、「大円の草」の四点前がある資格以上は全国的に日常修練として行われている。

しかしながら、茶道の原点とも言われる奥秘台子十二段の内公開されている二段を除いて、俗に「十段」と呼ぶ他の手前はなされていない。

 裏千家では昭和39年9月7日(1964年)に亡くなった淡々斎の頃までは、毎月2日には十段稽古日として行われてきたが、十段の内容からして言えば、数少ない十段稽古日の中で家元稽古数十年を経なければ十段習得は難しい。

  昭和40年に十段稽古は禁止され、できなくなった。それでも家元へ十段稽古に行くと言って行ったものの「十段」の稽古をするのではなく、以前の十段稽古日と称する日に行っただけで、普通の台子点前の稽古していたのである。家元へ十段稽古に行くということがステイタスであったようだ。

 それ以後、実際に指導をうけて、十段を習得した人は皆無に近く、もしいたとしても十段習得が昭和39年当時で年齢が60歳代と仮定すれば、現在100歳以上の人となります。

 もし、十段を指導している人がいるならば、その人は先人の残されたノートを見て、さも自分が十段を知っているかのごとく装って指導している人がほとんどです。
もし異論があればお会いして「十段」論議をすれば、本当に十段を修行したのか明確にわかります。正しい伝承茶道のためにも論議はしたいものです。

もう秘密もなく、秘密も時効でしょうから、私のことを述べましょう。十段禁止になってからまもなく業躰の故木村宗博、故山藤宗山両先生から茶道伝承のために、十段伝承を極秘に依頼され(家元外でないと発覚する恐れがあるので私に白羽の矢が当てられた)、先生が亡くなるまで直接、昼夜を区別なく時には朝方まで、夫人の「はる」さんにもご親切お受け、清貧な精神の故木村宗博先生に京都七本松通り近くの自宅で十段の最後までを修行をしていただいた最後の1人であります。先生方とは約束で生前中はこのことを口外しないことと又、奥秘十二段の伝承を実行し、日本伝統文化茶道の将来のために尽くすと言う遺言でもある「男の約束」をしました。


故木村宗博先生より受け継いだ遺稿の十段伝書



 大日本茶道学会では、ある資格以上に「日本茶道学会本部筆記」として伝書を与えている点は、創始者田中仙樵の意向を継承して、見事であり、拍手を送りたいが、残念なことに実際に修練している人は、まず、見られない。

 しかも、昭和32年12月発行の伝書には点前の手順の解説に前後の整合性に矛盾も見られ、帛紗の捌き、折り方の説明にも難解で矛盾を感じる表現があり、専門家が監修したと言い難い内容でもある。近代に入っての貴重な伝書の配布としては無責任に思えるばかりか、伝書としては問題を感じる。
 この様な問題が生じたのは、台子十二段元本からの転記の段階で監修が十二段の熟練者によって徹底されていないためなのだろうか。正しく伝承されなければ過ちの多い口伝による伝承と変わらないことになる。
創始者田中仙樵の日本茶道設立の初心と功績から見ても残念なことと感じる。



 日本茶道十二段伝書 春ー夏ー秋ー冬
(昭和31年12月27日発行)
 茶道講究録(昭和22年5月25日発行)
南方録切紙伝(乾・坤)・大丸盆点前続(全)・一畳半の秘伝印可之伝授

 余談ではありますが、元裏千家業躰で東京で十段指導している方がおられると聞きますが、十段指導にはそれなり口伝の技(わざ)があり、書き物だけを頼りにして指導をされるのは無責任です。その技をも習得して指導して欲しいものです。

ホームーページ上で十段を指導するという裏千家を勉強し、仕事が大工さんのようで、茨城、静岡に稽古場を開いて、無料で指導するという方にメールを送りましたら、台子五十段飾りから研究して指導していられるとのことでしたが、驚きました。非常に熱心な茶道を試みておられる人のようではありますが、社会科学で、古典を述べる時は、事実を述べるだけで、想像はいけません。

誤った伝承を作る原因にもなります。奥秘台子十二段を五十段飾りから推察して、十二段を指導していることは、新しい十二段の作成になります。これを奥秘十二段と称されては正しい奥秘十二段とは言えません。
もしあえて言うのなら、「・・・作、想像奥秘十二段」として発表して欲しいものです。

 いろいろクラブのメールのやり取り、ホームページ見て茶道に熱心でよい方と思うのですが、その方の指導で怪我(歪曲した茶道をうけて)をされる方も熱心な指導で茶道に目覚める方もいることでしょう。功罪はともかく気をつけたいものです。


奥秘十二段はの種類は次のものです。

十二段の種類
真之真 真之行草 真之行 真之草
行之真 行之真草 行之行 行之草
草之真 草之真行 草之行 草之草

茶道十段を本当に修行した人は皆無に近い。先人のノートを頼りに十段を知っているかのごとく指導している人がいるが、間違った伝承を指導したり受け継がないで欲しいものだ。


 3. 点前のルーツは奥秘十二段にあり

 現代のいくつかの平点前、四ヶ伝は、奥秘十二段の中にその原型を見ることができる。

その1 盆点のルーツ

 例えば、四ヶ伝の「盆点」は唐物茶入が盆にのっている時の扱いの点前であるが、「真之草」の中から、盆にのった唐物茶入の扱いを修練とした割稽古のために成立した一つの点前が「盆点」である。

  現在では、この点前の盆は和物を用いることがほとんどであるが、もちろん唐物盆を用いてもよいが扱いには唐物扱いとなる。割稽古として成立したその証拠に、道具を見れば明らかである。点前の中の道具は、ただ唐物茶入、盆、象牙茶杓を際立たせるため、水指は木地曲水指で、建水は奥秘点前の唐銅建水が約束になっている。

  この点前の特色のひとつには拝見道具の出し方である。この出し方も「真之草」と全く同じ出し方と行ってもよい。すなわち、「盆点」の唐物茶入と盆、象牙茶杓の扱いは、「真之草」にそのルーツをみることができるのであります。


その2 茶筌荘のルーツ

 茶筌荘のルーツは「草之真行」にあります。

奥秘十二段の知らない人にとっては、台子に設置された姿を見た時、驚かれるkとでしょう。台子地板上に水指。その塗蓋上には茶巾、茶巾の上には茶筌、塗蓋右上には茶杓がのり、平点前の茶筌荘の姿がそのまま台子地板上にあるのです。


草 の 真 行



 茶筌荘の場合、濃茶が正式で茶筌を一度茶入とおき合わせてから茶筌通しをするのが点前の約束になっている。 又、活用の点前として薄茶でする場合もあるが、その際は茶筌は使い取りとなり、直接塗蓋より茶筌を取って茶筌通しをしている。

  しかしながら、本来の茶筌荘のルーツである「草之真行」では直接塗蓋から茶筌を取り、天目茶碗に入れ、茶筌通しする。
  このことから見ると、平点前の茶筌荘濃茶の場合も、直接茶筌を塗蓋から取って、茶碗に入れ、茶筌通しをしても本来のルーツに忠実な仕草になるのであるが、口伝の世界で奥秘十二段のルーツを考えないで、ただ、濃茶であるから一度茶入と置き合せて、茶筌通しをして、薄茶は濃茶より気楽な点前として茶筌を使い取りにしたと思われる。それが今では当たり前の点前原理として成立し、伝承されている。


茶筌荘のルーツは「草の真行」にあり、本来は茶筌は使い取りであった。



その3 大蓋の扱いのルーツ

 二月に広口釜の大蓋は、縁内に蓋置取り込み、釜蓋をのせる規矩となっているが(時にはあまりにも大きな蓋は、働きとして、蓋置を環付のあたりまで進め、釜と蓋置に掛けて大蓋を置くことがある)、このルーツは「草之草」に見ることができる。平点前大蓋は蓋が大きいから縁内に取り込んでいるが、本来の縁内に取り込む仕草は、蓋が大きいという理由ではなく、「草之草」のように点前の格調からくる扱いである。
平点前の大蓋の扱いは、茶碗を出す位置を確保するために、「草之草」の蓋の扱いを活用したと見る事ができる。結果的には、大蓋の扱いのルーツは「草之草」にあるといえるのである。


その4 ”薄茶の点前、草の点前は難しい”という意味

 よくお点前をしている時、指導の先生が、「薄茶のなんでもないお点前こそ難しい、”草はむずかしいのですよ”」といわれることがある。
生徒(弟子)は意味もわからないまま、先生の言うとおりに”草の点前ほど難しい”と自分にも言い聞かせ、深い意味も知らないで納得し、また、自分も人に教える際は本来の意味を知らないまま、同じように言い、自分の弟子にも言い伝えて伝承していく。

茶の点前の難しさには、薄茶、濃茶の点前に限らず、点前の所作すべてにおいて、濃茶は濃茶の難しさ、薄茶は薄茶の難しさ、四ヶ伝は四ヶ伝の難しさ、奥伝は奥伝の難しさがあるが、それなりの完成された極致の「難しさ」は同じである。
それならば、茶道の点前の「難しさ」という意味を分析してみると、大きく三つに分類することができる。

一つ目は、点前の複雑さからくる覚えるという難しさである。

二つ目は、いくつかの点前を習得して行く中で、似て似つかずの点前を完全に区別することができる難しさである。
三つ目は、先に述べてように、点前が納得すべき極致(奥)に到達する「奥」の深さを習得する難しさである。


   結論から言えば、”草の難しい”と言える事のできる人は、奥秘十二段を習得した人にこそ言える言葉である。

 なぜならば、奥秘十二段を覚えることはなかなか難しいのであるが、特に、「真之行草」から順次習得して、「行之草」までは難しいながらも習得して行くのに、大きな難しさはないが、「草の真」を終えて「草の真行」、「草之行」、「草の草」を炉、風炉とも習得する時に、初めて手順、区別を明確にする”草の難しさ”を修行者は実感するのである。
昔から、奥秘台子十段(公開された奥伝を除いて)を習得して行く中で「草之草」まで終えた人が必ず実感して、言った言葉が”草は難しい”と言ったのである。奥秘十段を知らずして”草は難しい”と言うのは本来の言葉の意味を知らないがゆえに言っているのである。是非”草は難しい”の境地を味わってもらいたいものです。



その5  十二段を征服する学習方法


 普通は一つの点前を覚え、二つ目の点前を覚え、三つ目の点前を覚え、例えば、ある時間を経て二つ目の点前をするときには一生懸命点前の流れを思い出し暗記する。公開されている四ケ伝でも、奥伝でもそうだ。又、奥伝が当たった場合には、その点前を一生懸命思い出し、事前学習をして、その奥伝の点前をする。

 このような覚え方では、何年たっても、いざ点前をするときには前もって点前の流れを事前勉強して、点前をすることの繰り返しである。

  それではどのようにして、点前を覚えれば、良いかと言えば、わたくしの方法で学習すれば、四ヶ伝以上はいつどんな時でも点前ができるようになる。それをわたくしは「点前の同時進行」と名付けている。
  「点前の同時進行」とは例えば四ヶ伝の場合の覚え方で述べてみよう。

 「唐物」をまず覚えて、「台天目」に学習に入った時、その時その時の「唐物」と「台天目」との違いを認識しながら覚えることである。茶入の位置、茶筌の位置、茶杓の違い、拭き方の違い、などなどをその点前をするときに、他の点前との違いを認識する覚え方である。「盆点」の点前をする時、例えば茶筌を置く時に、「唐物」の茶筌の位置、「台天目」の茶筌の位置を同時に頭に浮かべ、「盆点」の茶筌の位置と唐物の茶筌の位置を認識をすることである。

すなわち、「違い」を一瞬に頭に浮かべ、その点前の特色を際立たせることである。文章に表現しても、筆舌につくし難きことであるので、これを読む人は難しく思うかもしれないが、縦に点前を覚えるのでなくて、横に点前を比較しながら覚えるのである。最初は難しいと思ってあきらめる人はいつもその点前の順序しか認識できない。実際にわたくしの指導での覚え方でいつも点前の流れしか覚えることができなかった人が、違う点前の違いを判別できるだけでなく、他の点前をも認識できるようになった人が多々現れて、点前の違いを認識できる喜びに点前の征服感を感じる人が現れてきたことも事実である。
 是非、点前の順序だけで覚える形式から、他の点前を常に認識して覚えてゆく方法を試みてほしいものである。私はこのことをいつも「ラララーン・・違いの分かる人・・・ネスコーヒー・・・」と言ってリラックスに覚えていただいている。


 4. 真之真の話(1)

 「真之真」の点前は、一子相伝と言われ、家元以外ではこの点前はなされることなく、家元を継承する次期家元のみに伝承される点前であった。
しかしながら、どの世界にもあるように、現実では裏面の水面下でごく一部の限られた人たちによって点前の最終的修練の極致として極秘に伝承が続けられた。偶々私にもその機会が訪れ、「真之真」を習得することができた。

 「真之真」をはじめ台子12段の話になると、秘伝であるからと言って、巷ではそれを口にすることすらタブーになっていて、中には、「秘伝の奥伝を公開して・・・」と陰で囁いている人たちが見られるが、現代の時代において、文化の継承と言う点では、秘密と言う「聖域」は存在しない。むしろ継承しなければならないと言う義務感を担ってほしいものだ。まるで、ある国の独裁者に洗脳された、また宗教的に洗脳されたように時代錯誤の感覚で批判する人もいるが、日本文化の伝統的継承と言う点で、従来の文化伝承方法ではなくて、「新らしい文化伝承方法の改革」の維新を迎えたと考えなければ、時代遅れの化石人間となってしまう。

時代は21世紀で地球上の全てのことが、同時に、階級の差もなく、平等にインターネットですべて開示される時代である。世界でも独裁者は追放され、真の自由の世界が世界中に広まりつつある。文化の継承でも秘伝と言う言葉の意義は薄れ、むしろ伝承のために伝承する力のある人に伝えて、人類の文化の一つである日本文化茶道を正しく伝承することが現代人の義務であり責任なのである。
 「真之真」の点前をはじめ奥秘台子12段の内容の一面をA会員に開示してみよう。


 5. 帛紗の話(1)2012/1/30

 帛紗は、利休が成立させた奥秘台子12段の中に三種類の帛紗が存在する。その帛紗捌きは、十通り以上も存在する。現在その捌きをできる人は、私の知る限りでは、数少ない。
公開されている「行之行台子」、「真之行台子」、「大円之真」、「大円之草」の点前を習得した程度では、帛紗の捌き方を知っていると言うには程遠い。

帛紗の種類でさえも、表千家では「古帛紗」を使用することなく、「古帛紗」は裏千家の独特の帛紗であると認識し、表千家、裏千家関係なく、千家の奥秘台子12段の中で、本来の点前の「古帛紗」が重要な帛紗であることを知っている人は数少ない。

 裏千家の場合でも、表千家で「出袱紗」として使っている帛紗は柄物であって、本来の帛紗としての用途があるにもかかわらず、単なる「出袱紗」としてか認識するだけで、表千家だけの帛紗としてしか認識していない。

 表千家、裏千家も奥秘台子12段の伝承を止めたために、帛紗の本来の種類も、その扱いも伝承することができる人がほとんどいなくなってしまった。日本独特の茶道文化の伝承は、ただ、巷で大寄せの茶会をして、道具の見せやっこをして、自己満足にふける次元の低い茶会をしている限りでは、残さなければならない伝承茶道はすたれてしまう。ただ残るのは、大衆文化としての今様の大茶会、奥秘台子十二段を除いた茶道文化が伝承として残るのみである。残念なことに千利休に発する茶道文化の伝承は途絶えてしまう。大変悲しいことでもある。


少なくともA会員には、帛紗だけでもどんな帛紗があり、その捌き方の種類を少しでも、帛紗の話に触れてみよう。2012/1/30

 6.  真の茶事の流れは他の茶事とは異なっている 2012/2/5 

 ホームページで「真の茶事」の記載がいろいろされています。その一部には、真の茶事は朱塗の懐石道具を使い、精進料理であると言うことは書いている。しかしながら、そのホームページ記載の「真の茶事」の内容と流れは全く違っている。
 大部分のホームページに記載されている「真の茶事」は、「正午の茶事」と同じ流れで、「真の茶事」と称している。「正午の茶事」の変形したものと言ってよい。

 それらのホームページはどのようなルーツで「真の茶事」を知り、その真偽を検証した結果、「真の茶事」を掲載したとは思えない。
 「真の茶事」の伝承が、ホームページの掲載者、又は掲載者を指導した指導者たちが、奥秘台子十二段習得の上、確かな根拠のある人たちよりの伝承を受けていないために、想像と創作のなかで形成された歪んだ「真の茶事」を「真の茶事」として認識し、軽率にホームページに掲載してしまったと想像できる。今まさに勉強してほしいものです。

 「真の茶事」を一般の茶道を求める人たちに、本来の「真の茶事」とは異なったものを示し、知らない人たちは知らずにそれを「真(まこと)」の「真の茶事」として思い込む。その責任は、伝承する義務者として将来に重い責任を残すことになろう
 その人たちに、”告げよう””真の茶事は前茶形式で、他の茶事とは全く別物である!”このことを知ってもらいたいものです。又、「真の行」の引次と「真の茶事」とも全く区別しなければならない。
 ほとんどすべてのホームページ又は巷で行われている「真の茶事」が、正午の茶事、引次などをごちゃまぜにして全く別の茶事を作り上げ、「真の茶事」と称している。

 以前の当ホームページが他のホームページで「真の茶事」の記載で間違っていることを指摘したことがある。そのホームページで懐石膳は折敷を使用してはいるが、掲示しているそのホームページの「真の茶事」の流れは、「真の茶事」の根幹である前茶形式ではなくて、普通の正午の茶事形式のように懐石の後、濃茶を飲んでいることが間違いであった。それに「引次」を加えて「真の茶事」として掲載していた。もちろん、「引次」を「真之茶事」ですることもできるが、その場合は流れが少し異なっている。

全く本来の「真の茶事」の流れからかけ離れているホームページを信頼して、「真の茶事」を勉強しようとする人たちにはケガを与えることになるために、そのホームぺ時の掲載者へ警鐘の意味をも含めて、そのホームページへリンクできるように掲載することにしたが、修正されたようですので、そのホームページへの間違い参考のためのリンクは解除した。
 「茶道・真実を知らなければ」の理念と本当に茶道を求めている人に知ってもらいたいためにあえて記述したことを理解してほしいのである。
「真之行」の点前さえすれば、「正午の茶事」も「真の茶事」になると思い込むのは間違いである.

 ホームページ掲載者に呼びかけたい。日本の茶道文化の広まりと広く活動を知らしめることは非常に賛同であるが、責任ある記述をホームページに記述していただくための警鐘でもある。許せる限りの少しばかりの間違いとか、伝承として学問的に分かれる見解の相違のものならば、是認し認めることができる。
 多くの質問をメールで受けた中で、同じ質問が数多くあった。それは、「真之行台子の点前で、道具を引く時に中次を台子に荘りますか、中次を奉書にのせて荘りますか・・・」であった。この質問は、30年以上前から、よくある質問で、業躰さんによってその回答がまちまちであると言うことをよく聞きます。又、「中次の中のお茶は、入れてあるのですか・・・」と言う質問も合わせてよくあります。

 その回答は「真の茶事」を正しく伝承を受けている人には、理解がよくできますが、巷では、「真の茶事」をどこどこの茶懐石料理屋でしたと言って、それを「真の茶事」と思い込んでいる人も多い。大部分のその「真の茶事」と称する茶事は、先に述べたホームページのように、自由創作茶事あるいは「正午の茶事」を変形して、懐石道具は「真の茶事」らしく「朱」のものを用いて「真の茶事」と称して茶事をしているところが多い。

 実際に、有名な店で、「真の茶事」できますと言う看板で宣伝している店も実際は、「真の茶事」から程遠い茶事であった。

 中次に奉書を敷くかどうかの話も、単なる「真之行台子」のお点前だけを勉強した人には、その回答として説明しても、話で理解はできても、その本当の意味を体得して理解ができないために、いざその場になって、迷いを生じるのである。

 尚、「真の茶事」、「真の茶事の引次」の解説の根拠は、伝承の茶道であるために公式的に記載された書物は存在しないが、裏千家の重鎮であった川島宗敏、山藤宗山、木村宗博各業躰より夫々勉強させていただいた内容の伝承をまとめて編集した結果述べるものである。
このホームページを載せて、数日後に一つ、6ヶ月後に一つ、指摘したホームページを削除された方がお見えになるが、間違いを訂正する精神こそ、尊敬する方だと思います。そのホームページ掲載者に敬意を表す意味で本ホームページより事例としてのリンクを削除させていただいた。これからも茶人であるならば、私をも含めて間違いは訂正する精神と実行を、厳しくそうありたいと思います。A会員のために、「真の茶事」をより深く解説をしてみよう。


 7.  A会員からの唐物、盆点についての質問2012/2/19  

 A会員から質問がありました。
その質問は、
「四ヶ伝の唐物、台天目点前が奥秘台子12段の中で用いるそれぞれの扱いを修練するたに成立した点前と言えるが伝承されていく過程で変革されてしまったというお話は、興味深く 拝読いたしました。 唐物 盆点のときは それぞれ茶入れを清めておいて、水屋にもどり、建水をあらたに持ち出す・・のは どこからきているのでしようか また 炉の点前のときは 茶筅が 炉壇の右におかれるのは どのように 理解したらよろしいのでしようか いままで お尋ねできる 先生にあえませんでした.どうぞ 宜しくご教授くださいませ。・・・」
のようなものでした。

 茶道を勉強すればするほど、多くのわからないことが次から次へと出現してくる。又、多くの疑問点が現れてくる。大部分の人は、自分の師や先輩に尋ねる。その際に尋ねられた人は、見栄と自分の肩書のプライドで知らないと正直に言えないで、その答えを濁し、ごまかす人が多くみられる。

そのような師や先輩は、茶道を伝承する師とは言えない。素直に、「知らないけれど、調べてみて解かる限りのことをお知らせしたいと思います」と言い、勉強して、自分のできる限りのそれなりの回答を出さなければ、「師」とは言えない。
そのような行動をとれない人は、自ら「師」と言う立場から去らなければならない。すべての学問の分野で言えることは、師も弟子も「万年学徒」でなければ、精進はできない。自分が獲得した知識、技術、立場には油断のない修練がなければ築いたものは、砂上の楼閣のごとく崩れ去るものである。

さて、質問のことに話を戻そう、この質問は、四ヶ伝を習い始めるころは、素直に、「四ヶ伝は、こういう点前で、このような手順で、道具の配置はこのようなものなんだ」と自らに言い聞かせ、点前順序、約束を覚えるだけで精いっぱいでゆとりがないので、その理屈、理由の意味合いを知りたいと言う知識の欲望は発生する余地がない。そういう意味では、この質問者A会員は茶道の真理を求めたいと言う茶道の求道精神があり、この点に関する限りは茶道の師の一人として迎えたい人でもあり、その弟子は良い師に指導を受けているとも言えるのである。

 皆さんも、この質問のような疑問を持たれたことがあるでしょうか。静かに自分を振り返って、正直に自らを判断してみてください。

この質問の明解な回答は、奥秘台子十二段をすべて修練し尽くさなければ、正確な回答と悟りはできない。奥秘台子十二段を一点前毎覚えても、その大成を一目で見ることができなければ、その回答は求められないものである。よく言う諺にあるが、奥秘台子十二段に関してあえて言えば、私はこのように言いたい。

 「森を見て、木を知り、又、森を認識して木々がそこに或る所以を、森の中で体系つけた時こそ、奥秘台子十二段を習得することができ、強いては四ケ伝をはじめ平点前までの真意までも知りうることができる」
と経験から言いたい。
その質問したA会員の姿勢に答えるためにも、すべてのA会員にその質問に答え、開示することにしよう。



 8.  台子の種類と点前による台子の違い 2012/3/13」の開示 

 茶道を嗜む者において、「台子知らずして茶道を知っているとは言えない」と言っても過言ではない。

なぜならば、茶道の原点は台子にあり、その点前のルーツも台子に見ることができ、台子あっての茶道であるからである。

 現在、台子点前を重視して、点前修行の中に重く取り入れているのは、裏千家、大日本茶道の二流が挙げられる。

 裏千家では、奥秘台子12段の内、「真之行」、「行之行」を開示し、13世円能斎の考案した「大円之真」等の点前で台子点前の修業を許状によって課している。それに加えて、台子を用いる点前として、濃茶、薄茶の台子点前を修業の一環として加えている。
しかしながら、開示した「真之行」、「行之行」の二点前を除いた奥秘台子12段の残り9段については開示をしていない。誠に残念なことである。
 大日本茶道では、裏千家13世円能斎時代に奥秘台子12段の記述したものを田中仙樵が譲り受け、大日本茶道の原点である日本茶道を立ち上げ、その点前の根幹として台子点前を継承し、又、流派としての台子点前の考案により、台子点前が重要視されている。しかしながら、現在、奥秘台子12段が書面では不完全ながらも引き継いでいるものの、修行の一環として奥秘台子12段がされているという事は聞かれることはない。

 台子点前をあまりしていない他の流派は問題外であるが、より際立って台子伝法を実践していると言えども、裏千家、大日本茶道共に奥秘台子12段が実践されていないことは誠に残念なことである。

どちらにしても、茶道を志し、茶道人であると自負される茶道人ならば、台子を習得しなければ、本来の茶道人とは言えないと言っても過言ではない。

 まず、台子そのものが何であるかを認識することにその一歩が始まる。
 それでは、今後触れることになる奥秘台子12段の話の前に、知って置かなければならない基本的な台子の種類と、台子の分類を明解に理解していただくために、台子の分類を図示して、A会員に台子の話から開示していこう。

 9. 真之行草の話と炉・風炉の荘り 2012/5/3の開示 

 「真の行草」は奥秘台子12段の「真之真」、「真之行」に次ぐもので、別名「長盆」の点前とも称している。
この点前は、独特な構成になっている。真の範疇でありながら、真にあるまじき省略した所作が見られる。そういう意味では、草庵の茶の原点でもあると言える。
茶入れも平茶入を用い、唐物扱いと和物扱いが混在した点前と言えよう。
 「真之行草」の台子荘りとその特徴の一部をA会員のページで、炉・風炉共に開示してみよう。

 10. 真之草の話と炉・風炉の荘り 2012/5/23の開示 

 奥秘台子12段の中で、「真之草」という点前がある。この点前の割稽古として、四ヶ伝「盆点」が成立していると言っても過言ではない。もちろん、奥秘台子12段の中には、盆にのった唐物茶入点前が5つばかりある。
 「盆点」は盆にのった唐物茶入の扱いの修練を目標としているのであるが、「真之草」の点前は、特別の帛紗「わぎん」の使用が出てくる。道具の荘りは、「真之行」に類似しているが、点前はずいぶん異なっている。その荘り、を風炉、炉を比較してA会員ページで開示してみよう。

 11. 行之真の話と炉・風炉の荘り 2012/6/24の開示 

 利休以前では、唐物至上主義で、茶道と言えば、唐物道具珍重し、唐物でなければ台子にはのせることができなかった。「行之真」はその常識的な当時の茶道を打ち破る発想であり、利休にしかできない決断であり、真の日本茶道の幕開けの起点となったと言っても良い。

その意味は、台子伝法の中に配置されるべき道具は、唐物が約束であった当時の茶道に、台子に和物道具の配置が登場することである。いわゆるこれが乱れ荘なのである。

唐物至上主義の中で、茶道の根本である台子に和物が登場したことは、ある意味では、日本茶道の幕開けと言っても過言ではない。茶の道具の優劣が、単なる唐物と言うレッテルだけの優越性から、日本で目覚めた本来の茶道の感性が、主役になる起点ともなったのである。和物の良さを見出したところに利休の茶の感性があり、茶道の「茶の気」を生み出したと言えるのである。

よくデパートや地方のお土産屋で抹茶用の茶碗を見受ける。デパートの展示会でも数百万円もする茶碗が出ている。有名な陶芸作家と言われる人の作品も、時には、欲しくない茶碗もある。「茶の気」と言う感性が微塵も見られることなく、単なる美術品的個性的な意外性の茶碗であって、一服の茶を飲む気がしない茶碗がある。作家の中には、見よう見まねで茶碗を作るのであるが、「茶の気」がない。それは単なる陶芸職人の技術的な巧みさを追い続けて、茶道の感性を磨いていないからである。

少なくとも、茶道の作品を作る以上は、一部の天性と感性を備えた陶芸作家を除いて、陶芸作家も茶人の端くれにならなければ、感性ある作品は作れない。人間国宝の志野焼茶碗を例にしても、人間国宝と言うネームバリューで高価な茶碗となり、珍重されているのであるが、茶人の仲間では茶碗としての感性とそれで飲む意欲は薄らぐと言う人たちが多いのも事実である

 「行の真」茶入も平茶入を用い、扱いも和物扱いである。又、玄々斎の考案した和巾点前への影響もこの点前の中に見られる。道具の組み合わせ、台子荘にも特色があり、思わない道具が台子上に登場する。この点を含めて風炉・炉の台子荘とその特徴的台子荘をA会員に開示してみよう。

 12. 台子の種類によって荘る道具が決ることを無視した現在のよくある荘り 2012/8/25の開示 

 台子、長板の荘りは、いろいろな人によって、詳細なことになると異なっている。中でも茶道歴が古い人は、その勢いだけで主張し、周りの人にけがをさせる人も多くない。主張する以上、その裏付けとなる根拠がなければならない。誰々さんが言っていると言う責任逃れの意見はいけない。特に茶歴の長い人、茶道の指導的立場の人たちは、茶歴の浅い人が「神さま」のように信頼するから、責任ある指導をしなければならない。
台子は茶道の道具組の原点で、長板も台子から派生した。

 しかしながら、後に伝わった、高麗台子、及台子、日本で考案された竹台子等はその道具組は真台子とは異なっている。
その台子の種類と道具組の約束は、奥秘台子12段をすべて理解すると、それを読み取ることができる。一般に台子荘と言えば、公開されている「真之行」、「行之行」それに台子の平点前と長板の荘りだけである。その数少ない点前から、台子と長板の荘りを語るのは誠に乱暴で、利休の考案した台子荘の規矩性を無視して語ることになる。

 時には、奥秘台子12段を知らないが故に、規矩から脱線し、勝手に規矩のごとく解説して台子荘りを独自に作り上げてしまっている人もいる。利休がこれをみたら嘆き悲しむことであろう。その独自に歩いた台子荘も現代台子点前として横行しようとしている。ある意味では時代の流行と言えよう。ある意味ではそれも時代の流行で是としておこう。流行が規矩となって伝承されていくが、本来の原点は忘れてはいけない。

しかしながら、いくら流行と言えども、高麗台子、及台子に風炉をのせてするようなことだけは避けたいし、高麗台子、及台子に皆具をのせるようなことは絶対避けるべきである。又、使用すべき蓋置もそれなりの規矩があり、それに準じて用いるべきである。

この点についても詳しく、台子荘についてA会員ページで記述することにしよう。

 13. 奥秘台子12段、大円之真、大円之草と茶事のあり方 2012/10/5 開示 

 茶事と言えば、正午の茶事、朝茶事、夜咄し茶事、暁の茶事、跡見、飯後、臨時の茶事などいろいろあるが、奥秘台子12段及び「大円之草」において茶事をする場合は、なんでも茶事ができるとは限らない。

 それは、奥秘台子12段のお点前の特殊性にある。使う道具も伝来ものであり、茶入、盆、仕服、茶杓などは、道具を運ぶにもそれなりの所作と扱いがあり、台子荘りにも薄茶点前とのつながりも関係してくる。

 特に奥秘台子12段では、同じ茶事でも「真の茶事」ができる点前とできない点前でもその茶事のあり方が異なってくる。
 巷で、一部の有名な料理屋とか、ホームページで茶人と称して、大々的に茶事やお茶会を掲示掲載している中の多くは、「真の茶事」と称して、普通の「正午の茶事」に、一の膳と称して朱塗の懐石膳を使い、二の膳に黒漆の懐石膳を用いて、さも「真の茶事」と言わんばかりにされていることを目にする。その実態は、正午の茶事の流れに基づいた茶事であるしか思えない。

 「真の茶事」が変革して、広まり、本来の「真の茶事」を知らないことは、本当に悲しいことである。それ故に、声を大にして、ホームページの閲覧者に真実を投げかけたい。

 そのある有名な料理屋では、懐石料理の後、濃茶、薄茶という茶事の流れであったり、一の膳と二の膳の間に薄茶を飲んだりしている茶事を耳にする。
 一部の有名な料理屋で「真の茶事」を行いますと言う料理屋の看板を信頼して、それを経験してきて、「真の茶事」をしたと満足している方々が多い事は誠に残念なことである。
「真の茶事」と「正午の茶事」は全く異なった茶事であることを知らないために、ホームページなどに間違った解釈で掲載している事が多いのも事実なのである。
 正しい伝承のためにも、あえて「真の茶事」は前茶形式なのであると言いたい。
又、奥秘12段の「行の真」以降の点前は「正午の茶事」の中で行われるが、それも点前ごとに台子荘が異なっているので、それなりの細かい約束があることを明記したい。
A 会員のページで、奥秘12段と茶事の関係を明解に、詳しく開示してみよう。

  14. 真の点前で、釜に中水、後水を入れない理由 2012/12/14 開示

 公開されている「真之行」では、風炉点前では茶を点てる際、水一杓釜に入れる。茶筌すすぎの際は水指から天目茶碗に水を入れる。それ以外は水指から水を汲むこともなければ、釜には水を入れることはない。炉の点前でも、水指から水を汲むことは、茶筌すすぎの時のみで、釜に水を入れることはない。

 その理由を「真之行」の点前だけを取り出して、結論を求めることは解決にはならない。普通のお稽古の点前は、茶事の一部分を取り出した割稽古と言える。大きな大茶会においても、茶事の中のハイライトと言える茶を点てる所作のみを取り出して、饗応する形式とも言える。その点前だけから所作の意味合いを推察するには不十分な点がある。すべて一連の茶事の中からその点前の位置づけと意味合いを理解してい無ければ、点前の本来の姿は語りうることはできない。

それ故に、所作の一つとして、「真」の点前には、釜に水を入れることが、風炉点前で茶を点てる際以外にない理由を、A会員ページで開示してみよう。    

次回をお楽しみに!!




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